米国物価指標「輸入・輸出物価指数」発表前後のUSDJPY反応分析(4訂版)

本稿は、米国物価指標「輸入物価指数・輸出物価指数(Import and Export Price Index)」発表前後のUSDJPYの過去反応を分析し、本指標での過去傾向に基づく取引方針を纏めています。


Ⅰ. 指標概説と分析結論
1.1 指標概説
  • 発表機関:労働統計局(Bureau of Labor Statistics:BLS)
  • 発表日時:翌月中旬21:30(冬時間22:30)
  • 指標内容:米国が輸出入した財・サービス価格の月次変化

特徴は次の通りです。

  • 注目すべき項目は「輸入物価指数」と「輸出物価指数」の「前月比」と「前年比」で、指標発表後の反応方向への影響力が強いのは「輸入物価指数前月比」の予想乖離
  • 反応程度は極めて小さい(直後1分足値幅の平均値1.8pips)ものの、反応方向は素直(事後差異判別式の解の符号と直後1分足値幅方向の一致率70%)
  • 他の指標との関係は次の通り
    (1) 本指標はチャートへの影響力が弱く、四半期経常収支以外の指標と同時発表時は、本指標での取引を諦めるべき
    (2) 本指標の実態差異増減は、同月もしくは4か月前のドルインデックス実態差異増減と逆方向になりがちだが、そのことを頼りに取引すべきではない
    (3) 少なくとも単月毎の増減方向を見る限り、生産者物価指数前月比に対する輸入物価指数前月比や輸出物価指数前月比は、同期/連動関係が認められない
    (4) 少なくとも単月毎の増減方向を見る限り、消費者物価指数コア前月比に対する輸入物価指数前月比は、5か月先行している可能性があるものの、時差が大きすぎるため偶然に一致率が高くなっている可能性も排除できない
  • 本指標発表前後の反応傾向は次の通り
    (1) 指標発表前は輸出物価指数前月比の良し悪しに従いがちで、指標発表直後は輸入物価指数前月比の良し悪しに従いがち
    (2) 指標発表後は、市場予想よりも前回結果に対する良し悪しに従いがちで、初期反応方向への追撃に適している

指標内容について補足します。

本指標の調査対象には、軍事用品・芸術品・中古品(含修復品)・慈善寄付金・鉄道機器・カスタム資本設備が含まれない一方、航空輸送は含まれています。
主たる価格は米国輸出入業者への調査結果に基づき、個々品目毎に可能な限り2000年を100として、品目毎の重み付けを行って指数化されます。

一部の指標解説記事では「輸入物価指数の上昇はUSD買に繋がり、輸出物価指数の上昇はUSD売に繋がる」との記述が見受けられます。
だったら、両指数とも上昇したらどうなるだ、と思うのは早計です。
過去のチャートを調べると、指標発表前は輸出物価指数の影響を受けがちで、指標発表直後は輸入物価指数の影響を受けがち、という傾向があります(2.3項)。
始めからそう言えよ、と思いませんか。

また、本指標発表時の反応が極めて小さいため、ほぼ全ての指標解説記事では本指標の重要度や注目度は低く位置づけられています。
がしかし、本指標結果の良し悪しにチャートは素直に反応していた実績があります(事後差異判別式の解の符号と直後1分足値幅方向の一致率70%)。
一方、指標発表直前10-1分足と指標発表直後11分足の方向一致率は36%で、本指標発表前後でトレンド方向が同じではありません。
これらのことは、本指標が反応程度こそ小さいものの、反応方向への影響力が無視できない、ということです(3.1項、3.3項、3.4項)。

発表事例(ニュースリリースPDF版)をこちらに示します。
発表値には、両指数ともに更に細かな集計値(用途分類別・品種分類別・国別地域別)がありますが、それら細かな集計値の変化が指標発表直後の反応方向に継続的に影響している兆しは、それぞれを分離して判別できません。
結果、本指標への関心事は、総合値の「輸入物価指数」と「輸出物価指数」の「前月比」と「前年比」に絞られます。


1.2  分析結論

次節以降の論拠(データ)に基づき、本指標での過去傾向に基づく取引方針を下表に示します(私見)。
データからどのような過去の傾向を見出すかは自由です。

注記:期待的中率が定量化できているのは反応方向だけで(判定対象)、上記の利確や損切のpipsは参考値です(判定対象外)


Ⅱ.指標分析

以下の分析対象項目は「輸入物価指数」と「輸出物価指数」の「前月比」と「前年比」です。

指標分析の対象期間は、「前月比」が2015年1月集計分から2020年1月集計分までの61回分、「前年比」が2017年12月集計分から2020年1月集計分の26回分、です。

発表値修正は翌月以降に行われ、輸入物価指数前月比はほぼ毎回修正されています。


2.1 指標分析対象範囲

分析対象範囲開示のため、以下に輸入物価指数前月比・輸入物価指数前年比・輸出物価指数前月比・輸出物価指数前年比の順に過去推移を示します(指標推移を最新に都度更新することが本稿の目的ではありません)。

輸入物価指数前月比には、2.4.1項の移動平均線分析のため、市場予想と発表結果の移動平均線(6回平均)も重ねてプロットしています。
輸入物価指数前年比及び輸出物価指数前年比は、先述の通り2017年12月集計分以降がをプロットしています。

輸入物価指数も輸出物価指数も「前月比」は市場予想が毎回存在しますが、「前年比」は市場予想が見受けられないことが多々あります。
そのため、後記2.3項の項目間影響力比較分析で、「前年比」は実態差異判別式にのみ採用します。

各指数の統計値を下表に纏めておきます。


2.2 指標間影響力比較分析

指標間影響力比較分析は、本指標が他の指標と同時発表された過去事例から、本指標よりもチャートへの影響力が強い指標との同時発表時を、本指標の反応に関わる分析から除くために行います
影響力の強さ」は、過去の同時発表時の事後差異判別式の解の符号と直後1分足の方向一致率によって判定しています。

対象期間に本指標と同時発表された指標と、影響力比較結果を下表に一覧します。

指標名が青太字ならば本指標の方が影響力が強く、赤太字ならば本指標の方が影響力が弱い、と判定しています。

本指標より影響力が強い指標との同時発表時の反応を、本指標への反応と見なして分析しても、それは無意味です。
そのため、以降の反応に関わる分析は、上表赤太字指標と同時発表時を含まずに行うことにします。
すると、以降の反応に関わる分析対象は、対象期間の61回発表のうち25回の事例となります。

その25回の直後1分足の始値基準ローソク足を下図に示します。
下図において歯抜けとなっている集計月は、前記赤太字の月ということになります。

上図縦軸から明らかなように、本指標発表直後の反応は極めて小さいことがわかります。
但し、指標発表直後1分足の1足内反転(順跳幅より逆跳幅が大きくなること)は起きておらず、反応が小さいにも関わらず「騙し」で痛い目に遭うことは少なそうです。

なお、後述するように上図直後1分足の陰線率は70%です。
陰線率は値幅(跳幅でない)で算出しているせいか、上図からは陰線率が70%もあるように見えませんよね。


2.3 項目間影響力比較分析

項目間影響力比較分析は、ひとつの指標で複数の注目すべき指数(項目)が発表されるとき、各指数(項目)が反応方向に与える影響力の強さと方向を求めます
各指数(項目)が反応方向に与える影響力の強さは、事前差異判別式の解の符号が直前10-1分足と、事後差異判別式の解の符号が直後1分足と、実態差異判別式の解の符号が直後11分足と、方向一致率が高くなるように判別式の各係数を求めます。
判別式の係数の値の大きさと符号が、各指数(項目)が反応方向に与える影響力の強さと見なせます。

本指標の分析対象項目は、輸入物価指数前月比・輸入物価指数前年比・輸出物価指数前月比・輸出物価指数前年比、でした。
2.2項結論に基づく25回の事例について、各項目毎の差異判別式の解の符号とローソク足値幅方向の一致率を下表に纏めておきます。

指標発表前の反応方向は輸出物価指数前月比の事前差異符号に従いがちです。
指標発表後の短期間の反応方向は輸入物価指数前月比の事後差異符号に従いがちです。
そしてなぜか、指標発表後の反応方向は、輸入物価指数と輸出物価指数の前年比の実態差異符号に従いがちです。

次に、4項目全てを踏まえた各判別式を次のように立式します。

  • 差異判別式=A✕輸入物価指数前月比の差異+B✕輸入物価指数前年比の差異+C✕輸出物価指数前月比の差異+D✕輸出物価指数前年比の差異
    但し、
    事前差異=市場予想ー前回結果
    事後差異=発表結果ー市場予想
    実態差異=発表結果ー修正結果(修正がなければ前回結果)

上式において、各判別式の係数と、各判別式の解の符号と各ローソク足値幅方向の一致率を下表に纏めておきます。

上表のように各判別式の各項目係数を決めると、指標発表前後の反応が素直に記述できることがわかりました。

例えば、後記2.4.3項で用いる実態差異判別式は、

  • 1✕輸入物価指数前月比の実態差異ー1✕輸入物価指数前年比の実態差異ー2✕輸出物価指数前月比の実態差異ー3✕輸出物価指数前年比の実態差異
    但し、実態差異=発表結果ー修正結果(修正がなければ前回結果)

となります。


2.4 指標予想分析

指標予想分析は、あわよくば指標結果の良し悪しを発表前に予想し、あわよくば発表直後の反応方向を予想するための分析です

2.4.1  移動平均線分析

本分析は、指標推移のトレンド方向を根拠にした取引の勝ちやすさ、を検証しています。

指標推移が上昇中/下降中の判定は、市場予想と発表結果の移動平均線の上下位置で行います。
発表結果の移動平均線が市場予想の移動平均線よりも上なら上昇中、発表結果の移動平均線が市場予想の移動平均線よりも下なら下降中、です。
そして、これら移動平均線がクロスした翌月以降に反応方向の検証を行っています。
指標推移が上昇中に指標発表直後の反応方向が陽線、下降中に陰線ならば、「仮説一致」と判定しています。
分析の方法論等の詳細はこちらを参照願います。

分析結果を下表に示します。

結果、仮説一致率は40~44%で、実績が仮説を肯定するには一致率が不足しています。
結論、本指標は本分析の不適合事例です。

なお、上表にて「翌月から」の「判定回数」は20回となっています。
理由要点を下表に示しておきます。


2.4.2 過大反動分析

過大反動分析は、過大反動を見込んだ取引の勝ちやすさを検証します

例えば、前月と前々月の指標発表結果に大きな差があったとき、当月はその差と逆方向に反動を起こすと見込むことは自然です。
但し、市場予想もこの反動を見込んでいると考えられるため、市場予想を超えるほど大きな反動を起こすかが、取引上の関心事となります。
この「市場予想を超えるほど大きな反動」を「過大反動」と呼び、過大反動を見込んだときに指標発表直後に素直な方向に反応したならば「仮説一致」と判定しています。

分析結果を下表に示します。

結果、上表記載の通り、前月の実態差異判別式の解が1.0超のとき、過大反動を起こしにくいことがわかります(上表「過大反動率」参照)。
但し、前月の実態差異判別式の解がどうあれ、直後1分足値幅方向はどちらになるかわかりません(上表「仮説一致率」参照)。
結論、本指標は本分析の不適合事例です。

なお、上表にて「全数」の「判定回数」が19回となっています。
理由要点を下表に示しておきます。


2.4.3 同期/連動指標分析

同期/連動指標分析は、分析対象指標と比較対象指標の上下動の一致率が高くなる時差を求め、その一致率が取引の参考たり得るかを判断するために行います。
上下動を調べるため、同期/連動指標分析には、ふたつの指標の実態差異判別式の解の符号の一致率を調べています。

(1) ドルインデックスの増減に対する輸出入物価指数の増減の方向一致率

輸入価格にせよ輸出価格にせよ、我々がよく耳にする理屈では為替の影響を受けるはずです。
そこで、本指標とドルインデックス(複数の主要通貨に対してドルが買われたか売られたかを総合的に示す指標)を分析しました。
分析結果は、本指標の実態差異増減は、同月もしくは4か月前のドルインデックス実態差異増減と逆方向になりがち、です。
分析結論は、けれども上記結果に基づく取引方針の期待的中率は55%で取引不適、です。
以下、その過程を説明します。

下図は、輸入物価指数前月比と輸出物価指数前月比を同じグラフ上にプロットしたものです。

上図のように、輸入物価指数前月比と輸出物価指数前月比はほぼ同期して上下動しています
そして、輸入物価上昇は生産者物価上昇や消費者物価上昇へとに繋がるためUSD高要因、輸出物価上昇は海外業者との競争に不利なため企業業績悪化を予感させてUSD安要因、となります。
つまり、過去のUSD高やUSD安は、現在のUSD高要因とUSD安要因をともに有しています。
その結果、慢性的に貿易赤字で内需の大きな米国では、ややUSD高要因有利に働く、と推察されます。

では次に、為替の影響を見るため、ドルインデックス(毎月終値)を調べてみます。

がしかし、上図ドルインデックスと輸入物価指数や輸出物価指数の各グラフ推移が似ているはずありません。
そこで、ドルインデックス前月比を求め(下図はその1/3)、それと輸入物価指数前月比や輸出物価指数前月比を同じグラフにプロットしてみます。

これでは訳がわかりません。
そこで、次のように数式処理して分析します。

本指標実態差異判別式は先に2.2項で求めています。
この実態差異判別式の毎月の解と、ドルインデックスの実態差異判別式の解の符号一致率を、月ズレさせながら求めます。
結果を下図に示します。

上図横軸は、本指標実態差異がドルインデックスの実態差異に対し〇か月先行/遅行と読みます。
上図縦軸は、両者実態差異の符号一致率です。

さて、ドルインデックスの上下動が本指標結果の良し悪し(本指標実態差異判別式の解の符号がプラスかマイナスか)に影響する、と仮説します。
このとき、灰色線よりも左側は原因と結果が逆で、灰色線よりも右側がドルインデックスの変化に同期・連動して本指標が上下動している(仮説有効)、ということになります。
ならば、灰色線より左側の49~55%は両者の偶然の一致率を表しており、灰色線より右側でその範囲から明らかに外れた場合だけが仮説有効の可能性が高まります。

よって、本項結論は、

  • 本指標の実態差異増減は、同月もしくは4か月前のドルインデックス実態差異増減と逆方向になりがち

です。
この結論をもっと普通の言葉で表せば次の通りです。
すなわち、ドル高/ドル安ならば本指標結果は下降/上昇の関係があり、その時差は無し(62%)か4か月(63%)、です。

なお、後記3.3項において、本指標実態差異判別式の解の符号と直後11分足の方向一致率は70%です。
よって、指標発表直前に4か月前のドルインデックス実態差異判別式の解の符号と逆方向にポジションを取得し、指標発表11分後に決済したときの期待的中率は、0.63✕0.70+(1-0.63)✕(1-0.7)=55%、です。
取引には向きません。

(2) 生産者物価指数前月比の増減に対する輸入物価指数前月比の増減の方向一致率

詳細は『米国物価指標「生産者物価指数」発表前後のUSDJPY反応分析』の2.4.3 (1)項を参照願います。

結論は、少なくとも単月毎の増減方向を見る限り、生産者物価指数前月比に対する輸入物価指数前月比は同期/連動関係が認められない、です。

(3) 生産者物価指数前月比の増減に対する輸出物価指数前月比の増減の方向一致率

詳細は『米国物価指標「生産者物価指数」発表前後のUSDJPY反応分析』の2.4.3 (2)項を参照願います。

結論は、少なくとも単月毎の増減方向を見る限り、生産者物価指数前月比に対する輸出物価指数前月比は同期/連動関係が認められない、です。

(4) 消費者物価指数コア前月比に対する輸入物価指数前月比の増減の方向一致率

詳細は米国物価指標「消費者物価指数」発表前後のUSDJPY反応分析の2.4.3 (1)項を参照願います。

結論は、単月毎の増減方向を見る限り、消費者物価指数コア前月比に対する輸入物価指数前月比は、5か月先行で連動している可能性がある、です。
がしかし、時差が大きすぎてどうも信じられません


Ⅲ. 反応分析

以下の反応分析の対象は2.2項記載の25回で、毎年の対象数の内訳は下表の通りです。

2020年発表分は、2020年1月集計分までのカウントとなっています。


3.1 反応程度過去集計結果

過去の反応程度とその分布を一覧しておきます。

指標結果に最も素直に反応しがちな直後1分足値幅は過去平均でたった1.8pipsで、反応程度は極めて小さな指標です。
また、直後1分足順跳幅の分布は、過去平均値を超えてその1.5倍以下に56%が集中しています。
そして、直前1分足の過去平均順跳幅は1.6pipsで、その0.5倍超1倍以下に過去分布が集中しており、反応程度が小さ過ぎて取引不向きです。

以下の分析は、直前10-1分足と直後11分足の順跳幅の方向を当てることに絞り、直後11分足の方向を当てるために直後1分足の方向を当てる、ことを目指すことになります。
特に指標発表後は、直後1分足順跳幅の方向さえ当てれば、直後1分足・直後11分足ともに一足反転率が小さく(順跳幅よりも逆跳幅が大きくなることは2年に1回程度)、反応が小さい割には追撃を重ねて稼ぎやすい傾向があります。


3.2 利得分析

利得分析は、差異判別式の解の1単位当たり何pipsの反応が起きたかを、過去の実績から検証しています。

分析内訳として指標差異と反応程度の期間推移を以下に示します。

反応程度を指標差異で割った利得分析の結果を下図に示します。

事後差異判別式の解1ips(=Index Points)毎の直後1分足値幅は過去平均で1.2pipsです。
但し、毎年の平均では0.7~2.2pipsと大きくばらついており、事後差異判別式の解から直後1分足値幅を的確に予想することは難しいことがわかります。


3.3  指標一致性分析

指標一致性分析は、差異判別式の解がローソク足の大きさや方向を示唆していないかを、過去の実績から検証しています。

差異判別式の解とローソク足値幅の代表的な関係を下図に示します。

いずれも相関係数(R^2値)が小さく、回帰分析の近似式によって反応の方向と程度を予想することはできません

次に、各差異判別式の解の符号と4本足各値幅方向の一致率を下図に纏めます。

さて、指標発表前に判別式の解がわかっているのは事前差異しかありません
2.2項以降、分析対象は25回分の発表でした。
この25回の事例について、事前差異判別式の解の絶対値を階層化し、その階層毎の解の符号と4本足チャート各ローソク足の方向一致性分析を行った結果を下図に示します。

以上のことから、本項分析結論は、

  • 直前10-1分足は、事前差異判別式の解の符号と同方向になりがち(場面発生頻度41%、期待的中率68~77%)
  • 直後1分足は、事前差異判別式の解の絶対値が0.6超のとき、その符号と逆方向になりがち(場面発生頻度33%、期待的中率69~80%)
  • 直後11分足は、実態差異判別式の解の符号と同方向になりがち(場面発生頻度41%、期待的中率70%)

です。


3.4  反応一致性分析

反応一致性分析は、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の大きさや方向を示唆していないかを、過去の実績から検証しています。

各ローソク足値幅の代表的な関係を下図に示します。

いずれも相関係数(R^2値)が低く、回帰分析の近似式によって反応の方向と程度を予想することはできません
そこで、4本足各実体部同士の方向一致率を下図に求めます。
反応程度の予想を諦め、反応方向だけに分析目的を絞る訳です。

反応方向率(上左図)から、直後1分足の陰線率が70%と、かなり偏りが目立ちます。
また、直後1分足と直後11分足の方向一致率が80%と高く、直後1分足の方向さえ当てることができれば、直後11分足の方向も当てることができそうです。
先述の通り、本指標発表直後の反応程度は極めて小さいため、狙いは直後11分足順跳幅に絞る必要があり、この方向一致率の高さは重要です。

さて、直前10-1分足は、指標発表前にローソク足が完成しており、その後のローソク足方向を示唆している可能性があります
2.2項以降、分析対象は25回分の発表でした。
この25回の事例について、直前10-1分足値幅を階層化し、その階層毎の解の符号と4本足チャート各ローソク足の方向一致性分析を行った結果を下図に示します。

本項分析の結論は、

  • 直前1分足は、直前10-1分足値幅が5.8pips超(過去平均値の1.5倍超)のとき、直前10-1分足値幅と逆方向になりがち(場面発生頻度10%、期待的中率80~100%)
  • 直後1分足は、直前10-1分足値幅が3.9pips超(過去平均値超)のとき、直前10-1分足値幅と逆方向になりがち(場面発生頻度18%、期待的中率75~100%)
  • 直後11分足は、直前10-1分足値幅が5.8pips超(過去平均値の1.5倍超)のとき、直前10-1分足値幅と同方向になりがち(場面発生頻度10%、期待的中率67~80%)

です。


3.5  伸長性分析

伸長性分析は、指標発表1分後から反応を伸ばしがちだったか否かを、過去の実績から分析しています。

下図をご覧ください。

直後1分足より直後11分足が同じ方向に伸びていたことは、順跳幅で75%、値幅で65%、でした。
指標発表後は初期反応方向を確認したら追撃です

更に細かく、順跳幅方向です。

直後1分足順跳幅がどうあれ、初期反応方向を確認したら直ちに追撃です。

次に値幅方向です。

こちらは、直後1分足順跳幅が2.8pipsを超えたら、直後1分足終値がつくのを待って追撃です。

よって、本項分析結論は、

  • 指標発表後は初期反応方向に直ちに追撃開始し、発表後1分を過ぎたら利確の機会を窺う(場面発生頻度41%、期待的中率74~100%)
  • 直後1分足順跳幅が2.8pipsを超えたら、直後1分足終値がつくのを待って追撃(場面発生頻度26%、期待的中率73~100%)

です。


Ⅳ. 過去成績

分析記事は不定期に見直しを行っており、過去の分析成績と取引成績は下表の通りです。
個別取引の記録はこちらに2016年末頃から全て記録しています。
本指標ではあまり取引していません。

上表「分析成績」は、取引方針の反応方向についてのみ判定を行い、反応程度についての判定は行っていません。
まだ実績が少ないものの、分析成績・勝率・平均取引時間のいずれも悪くありません。


関連リンク

➡ 米国指標の目次に移動

以上

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です