米国景気指標「ISM非製造業景況指数」発表前後のUSDJPY反応分析(3.1.4訂)

本稿は、米国景気指標「ISM非製造業景況指数」発表前後のUSDJPYの過去反応を分析し、本指標での過去傾向に基づく取引方針を纏めています。


Ⅰ. 指標概説と分析結論
1.1 指標概説
  • 発表機関:供給管理協会(Institute for Supply Management)
  • 発表日時:翌月第3営業日23:00(冬時間は24:00)
  • 指標内容:全米非製造業の事業活動の変化を総合的に月次指数化

特徴は次の通りです。

  • 注目すべき項目は「景況指数」「事業活動指数」「新規受注指数」(2.3項参照)
  • 指標発表直後の反応方向はかなり素直(事後差異判別式の解の符号と直後1分足値幅方向の一致率84%)で、反応程度は中程度(直後1分足値幅の過去平均値9.4pips)
  • 他の指標との関係は次の通り
    (1) チャートへの影響力が強い指標のため、金融当局の会見開始時刻と同時発表でない限り、同時発表指標があっても気にする必要がない(2.2項参照)
    (2) 本指標発表前に発表されることが多いサービス業PMI確定値の良し悪しは、本指標結果の良し悪しと関係ない(2.4.3(1)項参照)
    (3) 当月のISM製造業景況指数の実態差異判別式の解の符号と同方向、前月のISM製造業景況指数の実態差異判別式の解の符号と逆方向に、当月の本指標発表直後1分足は反応しがち(2.4.3(2)項参照)
  • 指標発表後の反応には次の傾向が窺える
    (1) 多くの他指標よりも指標発表前に指標発表後の反応方向を示唆する事象が多い
    (2) 本指標の影響持続時間は比較的長く、指標発表後は追撃に適している(3.5項参照)
    (3) 指標発表前から極端に大きく反応することがある

指標内容について補足します。

ISMは、製造業景況指数をPMIと表記し、非製造業景況指数をNMI(Non-Manufacturing ISM Report On Businessと表記しています

NMIの指数化過程は複雑です。

質問項目は多岐に亘り、項目毎に前月に比べて当月の状況を肯定的・否定的・同じの3択で答える形式で行われます。
そして、項目毎に肯定的な回答数に同じという回答の半数を加えて点数化します。
点数は「事業活動」「新規受注」「雇用」「仕入期間(サプライヤー納期)」の4項目の1つか複数に集計され、4項目が別個に点数集計されます。
更に、この4項目を集計したのが非製造業指数です。
この過程のどこかで、製造品目の分野毎にGDPへの貢献度に応じて重み付けと、季節調整が行われています。

この非製造業指数が、我々が目にするISM非製造業景況指数のこと(以下「景況指数」と略記)です。

なお、調査対象は全米非製造業のサプライエグゼクティブです。
サプライエグゼクティブは、事業部制ないしは拠点事業制を採る多くの日本企業で、事業部長ないしは地域統括長(どちらも一定規模以上の企業では、取締役か部長級が就くのが一般的)が相当すると考えられます。

参考までに、発表事例をこちらにリンクしておきます。
残念ながら、調査票実物は見つけられませんでした。


1.2 分析結論

次節以降の論拠(データ)に基づき、本指標での過去傾向に基づく取引方針を下表に示します(私見)。
データからどのような過去の傾向を見出すかは自由です。

注記:期待的中率が定量化できているのは反応方向だけで(判定対象)、上記の利確や損切のpipsは参考値です(判定対象外)


Ⅱ. 指標分析

以下の分析対象項目は

景況指数
事業活動指数
新規受注指数

の3つです。
参考までに「雇用指数」「価格指数」のデータも一部示すものの、それらは過去実績を見る限り(後記2.3項)、上記3指数に比べて反応方向への影響力が弱いことがわかっています。
指標分析の対象期間は、特に断らない限り2015年1月集計分から2020年3月集計分までの63回分です。

修正が行われる場合は翌月発表時に前月発表値が遡及改定されます。
がしかし、修正が行われたことはほとんどありません。


2.1 指標分析対象

分析対象範囲の全容を以下にグラフで示しておきます(グラフを最新に都度更新していくことが目的ではありません)。
配置は、景況指数(左)、事業活動指数(右上)、新規受注指数(右下)、となっています。

なお、景況指数のグラフには、2.4.1項の移動平均線分析のため、市場予想と発表結果の移動平均線(6回平均)も重ねてプロットしています。
また、新規受注指数には市場予想がありません。

どちらかと言えば、常日頃の市場予想は控え目で実際の発表結果の方が大きく振れる傾向があるものですが、2020年3月の急落は違いました。
この急落は新型コロナ肺炎禍の影響でした。
市場予想を行ったエコノミスト等は、それだけ新型コロナ肺炎禍による非製造業のビジネスへの影響を大きく見込んでいた、といえます。
新型コロナ肺炎禍の事業への影響の見方について、エコノミスト等が正しいか、本指標調査票への回答を行った事業者が正しいか、強い関心を持って今後の推移を見ていきたいものです。

本指標統計値を下表に纏めておきます。

書式に基づき、平均値と標準偏差を記載していますが、ほとんど意味がありません
むしろ、上記各指数と後記2.3項に示す本指標全体の各判別式の解を統計的に整理しておいた方が参考になります。

例えば、後記2.3項に示す本指標全体の事後差異判別式

  • 3✕景況指数の事後差異+1✕事業活動指数の事後差異
    但し、事後差異=発表結果ー市場予想

です。
データ数が増えるほど、毎月の発表結果の分布形状は正規分布から外れかねませんが、判別式の解の分布は正規分布に近づくことが経験的にわかっています。


2.2 指標間影響力比較分析

指標間影響力比較分析は、本指標が他の指標と同時発表された過去事例の実績に基づき、本指標よりもチャートへの影響力が強い指標との同時発表時を、本指標の反応方向に関わる分析対象から除くために行います
影響力の強さ」は、過去の同時発表時の事後差異判別式の解の符号と直後1分足の方向一致率によって判定しています。

対象期間に本指標と同時発表された指標と、影響力比較結果を下表に一覧します。

指標名が青太字ならば本指標の方が影響力が強く、赤太字ならば本指標の方が影響力が弱い、と判定しました。

新築住宅販売件数との同時発表が過去1回だけあります(2019年3月5日発表:連邦予算の赤字拡大が議会紛糾で認められず、官庁閉鎖に伴い新築住宅販売件数の発表が遅延)。
本指標と新築住宅販売件数の同時発表は、今後あまり考えられないものの、貴重なデータが得られました。

本分析の結果は、消費に繋がる本指標のチャートへの影響力の強さを示唆しています。

ともあれ、本指標より影響力が強い指標との同時発表時に本指標の反応方向を分析しても意味がありません。
よって、以降の反応に関わる分析は、上表赤太字指標と同時発表時を含まずに行うことにします。
すると、以降の反応に関わる分析対象は、対象期間の63回発表のうち59回の事例となります。


2.3 項目間影響力比較分析

項目間影響力比較分析では、ひとつの指標で複数の注目すべき指数(項目)が発表されるとき、各指数(項目)が反応方向に与える影響力の強さと方向を求めます
各指数が反応方向に与える影響力の強さは、事前差異判別式の解の符号が直前10-1分足と、事後差異判別式の解の符号が直後1分足と、実態差異判別式の解の符号が直後11分足と、方向一致率が高くなるように判別式の各係数を求めます。
判別式の係数の値の大きさと符号が、各指数が反応方向に与える影響力の強さと見なせます。

さて、本指標の分析対象項目は、景況指数事業活動指数新規受注指数、でした。
まず先に、2.2項結論に基づく59回の事例について、各項目毎の差異判別式の解の符号とローソク足値幅方向の一致率を下表に纏めておきます。

本指標に関しては、雇用指数・価格指数の反応方向への影響力が小さいことがわかります。

そして、次のように各判別式を立式します。

  • 差異判別式=A✕景況指数の差異+B✕事業活動指数の差異+C✕新規受注指数の差異
    但し、
    事前差異=市場予想ー修正結果(前月発表結果が確定値で修正されなかった場合は前回結果)
    事後差異=発表結果ー市場予想
    実態差異=発表結果ー修正結果(前月発表結果が確定値で修正されなかった場合は前回結果)

上式において、各差異判別式の係数と、各判別式の解の符号と各ローソク足値幅方向の一致率を下表に纏めておきます。

各ローソク足とも、差異判別式の解に対しかなり素直な方向に反応です。


2.4 指標予想分析

指標予想分析は、あわよくば指標結果の良し悪しを発表前に予想し、あわよくば発表直後の反応方向を予想するための分析です

2.4.1 移動平均線分析

移動平均線分析は、指標推移のトレンド方向を根拠にした取引の勝ちやすさを定量化しています。

指標推移が上昇中/下降中の判定は、市場予想と発表結果の移動平均線の上下位置で行います。
発表結果の移動平均線が市場予想の移動平均線よりも上なら上昇中、発表結果の移動平均線が市場予想の移動平均線よりも下なら下降中、です。
そして、これら移動平均線がクロスした翌月以降に反応方向の検証を行っています。
指標推移が上昇中に指標発表直後の反応方向が陽線、下降中に陰線ならば、「仮説一致」と判定しています。

分析結果を下表に示します。

結果、仮説一致率は36~37%で、実績が仮説を肯定するには一致率が不足しています。
結論、本指標は本分析の不適合事例です。

なお、上表にて「翌月から」の「判定回数」は50回となっています。
理由要点を下表に示しておきます。


2.4.2 過大反動分析

過大反動分析は、過大反動を見込んだ取引の勝ちやすさを定量化しています

例えば、前月と前々月の指標発表結果に大きな差があったとき、当月はその差と逆方向に反動を起こすという予想がしっくりきます。
けれども、市場予想もこの反動を見込んでいるならば、その反動が市場予想を超えるほど大きくなるかに関心を絞るべきでしょう。
この「市場予想を超えるほど大きな反動」を「過大反動」と呼び、過大反動を見込んだときに指標発表直後に素直な方向に反応したならば「仮説一致」と判定しています。
分析の方法論等の詳細はこちらを参照願います。

さて、2.3項記載の実態差異判別式を用いて(景況指数単独の判別式ではありません)、その解の絶対値を階層化したときの過大反動率と上記仮説一致率は下表の通りです。

結果、上表記載の通り、前月の実態差異判別式の解がどうあれ、過大反動を起こしやすいことがわかります(上表「過大反動率」参照)。
但し、過大反動が起きると見込んで指標発表直前にポジションを取得して、期待的中率(上表「仮説一致率」参照)が67%以上に達することはありません
結論、本指標は本分析の不適合事例です。

なお、上表にて「全数」の「判定回数」が55回となっています。
理由要点を下表に示しておきます。


2.4.3 同期/連動指標分析

同期/連動指標分析は、分析対象指標と比較対象指標の上下動の一致率が高くなる時差を求め、その一致率が取引の参考たり得るかを定量判断するために行います。
上下動を調べるため、同期/連動指標分析には、ふたつの指標の実態差異判別式の解の符号の一致率を調べています。


(1) サービス業PMI確定値との対比

本指標と同様に、米国非製造業の景況感を示す指標にサービス業PMIがあります。
PMIには速報値と確定値があり、幸い、確定値の発表も本指標より前です(例外があるかも知れません)。
下図に、ISM非製造業景況指数青○印)とサービス業PMI確定値赤○印)の推移を示します。

全体的には、本指標とサービス業PMI確定値の上昇/下降時期はほぼ一致しているように見受けられます。
実際、いくつかの指標解説記事では「(中長期視点において)両指標の上昇/下降はほぼ同期」していることを指摘しています。
がしかし、そんなことは中長期の投資を行わない限り関係も関心もありません

関心があるのは、単月毎のサービス業PMI確定値の前月に対する改善/悪化が、単月毎の本指標の前月に対する改善/悪化を示唆しがちか、です。
そして、指標結果のそれが示唆されているのなら、その示唆を論拠に取引して勝てるか、です。
その関心事を下表に纏めておきます。

指標分析」の列は、例えば最初の行で、当月のサービス業PMI確定値と本指標の前月に対する改善/悪化の方向が一致したか否かを「方向一致率」で示しています。

同様に、「反応分析」の列は、当月のサービス業PMI確定値が前月より改善/悪化だったときに、本指標の直後1分足値幅方向が陽線/陰線だったかを「方向一致率」で示しています。

結論、単月毎のサービス業PMI確定値の良し悪しは、本指標の良し悪しの論拠にも、本指標発表直後の反応方向の論拠にもなりません

ちなみに、上記「反応分析」の判定回数は、2.2項結論の判定回数から本指標発表直後1分足値幅が0pipsだったときを除いた回数です。
本サイトでは、分析対象のローソク足値幅が0pipsだったときを「No Count」で統一しています。


(2) ISM製造業景況指数との対比

ISMは、本指標に先立ち製造業景況指数の発表も行っています。
一般論として「景気の良し悪しを製造業指標は非製造業指標よりも先行示唆する」という話を目にしたことがあると思います。
下図に両指標の推移を示します。

確かに、製造業景況指数は上昇/下降のトレンド転換を、非製造業景況指数よりも少しだけ早く示しているような気もします。
がしかし、そんなことは単月毎の指標取引の参考にはなりません。

そこで、両指標の毎月の実態差異判別式の解の符号(当月発表結果が前月より改善したか悪化したかを示します)の一致率を調べておきました。
下図はその関係を表していますが、結果はかなり意外です。

上図縦軸は、両指標の実態差異判別式の解の符号の一致率を示しています(両指標ともに当月が前月より改善したか悪化したかが一致)。
横軸は、本指標が製造業景況指数よりもどれだけ先行/遅行しているかを示しています。
そしてもし、本指標が製造業景況指数と同期もしくは遅行するのなら、上図灰色線よりも右側だけが読み取るべき範囲となり、灰色線よりも左側の一致率は偶然の一致によるばらつきを示している、と考えることができます。

先述の「結果がかなり意外」とは、本指標の改善/悪化が製造業景況指数よりも1か月遅行し、製造業景況指数の改善/悪化と逆になりがち、と読み取れる点です。

では、反応方向はどうなっているでしょう。
上図において、本指標が製造業景況指数に対し同期・1か月遅行・2か月遅行、の3か月について纏めておきます。

上表の読み方の説明は割愛します。

結論、本指標発表直後の反応は、同月の製造業景況指数の実態差異判別式の解の符号と同方向(場面発生頻度90%、期待的中率67%)、前月の製造業景況指数の実態差異判別式の解の符号と逆方向(場面発生頻度90%、期待的中率77%)、になりがちです。

毎月の発表時の取引に際して、本指標が製造業景況指数に遅行する、という中長期視点での解説記事に惑わされてはいけません
それで中長期の投資に勝てるという実証論拠を示している指標解説記事はなく、上記の通り、そんなことは単月毎の指標発表時に起きていません。


Ⅲ. 反応分析

以下の反応分析の対象は2.2項記載の59回で、毎年の対象数の内訳は下表の通りです。

2020年発表分は、2020年3月集計分までのカウントとなっています。


3.1 反応分析対象

反応分析対象の直前10-1分足(左上)・直前1分足(左下)・直後1分足(右上)・直後11分足(右下)の各始値基準ローソク足を下図に示します。
下図において歯抜けとなっている月は、2.2項結論により反応分析から除外した月です。
こんな図を眺めても仕方ありませんが、分析対象開示のために示しておきます。

指標発表前であれ後であれ、たまに極端に大きく反応しており、注意が必要です。

過去の反応程度とその分布を一覧しておきます。

指標結果に最も素直に反応しがちな直後1分足値幅は過去平均で9.4pipsで、反応程度は中程度の指標です。

平均値は、直後1分足順跳幅よりも直後11分足値幅が大きくなっており、初期反応方向に直ちに追撃すべきことを示唆しています。
また、先述の通り、順跳幅最大値は過去平均地の3倍を超えており、極端に大きく反応することもあるので注意が必要です。

特徴として、直前1分足の1足内反転率が19%もあり、他の指標よりもかなり高くなっています。
いわゆる「逆ヒゲ」を形成しやすい場面は、初心者や気の早い人が「往復ビンタ」を受けやすいので、注意が必要です。


3.2 利得分析

利得分析は、差異判別式の解の1単位当たり何pipsの反応が起きたかを、過去の実績から検証しています。

分析内訳として指標差異と反応程度の期間推移を以下に示します。

反応程度を指標差異で割った利得分析の結果を下図に示します。

事後差異判別式の解1ips(Index Points)毎の直後1分足値幅は過去平均で1.2pipsです。
ほぼ毎年小さくなっており、当面は小さく見込んでおいた方が無難でしょう。


3.3 指標一致性分析

指標一致性分析は、差異判別式の解がローソク足の大きさや方向を示唆していないかを定量分析しています。

各判別式の解とローソク足値幅の代表的な関係を下図に示します。

一見して、事後差異判別式の解に対する直後1分足値幅方向や、実態差異判別式の解に対する直後11分足値幅方向が一致しがちなことが読み取れます。

次に、各差異判別式の解の符号と4本足各値幅方向の一致率を下図に纏めます。

事後差異判別式の解の符号と直後1分足の値幅方向の一致率が84%、実態差異判別式の解の符号と直後11分足の値幅方向の一致率が84%と高く、本指標発表直後の反応はかなり素直なことがわかります。
また、事前差異判別式の解の符号と直前10-1分足値幅方向の一致率も70%に達しています。

さて、指標発表前に判別式の解がわかっているのは事前差異しかありません
2.2項以降、分析対象は59回分の発表でした。
この59回の事例について、事前差異判別式の解の絶対値を階層化し、その階層毎の解の符号と4本足チャート各ローソク足の方向一致性分析を行った結果を下図に示します。

本項分析結論は、

  • 事前差異判別式の解の絶対値がどうあれ、その解の符号と直前10-1分足値幅方向は同方向になりがち(場面発生頻度94%、期待的中率70~92%)
  • 事前差異判別式の解の絶対値が5.2超のとき、その解の符号と直前1分足値幅方向は同方向になりがち(場面発生頻度13%、期待的中率75%)
  • 事前差異判別式の解の絶対値が1.3超2.6以下のとき、その解の符号と直後1分足値幅方向は同方向になりがち(場面発生頻度28%、期待的中率68%)
  • 事前差異判別式の解の絶対値が1.3超3.9以下のとき、その解の符号と直後11分足値幅方向は同方向になりがち(場面発生頻度41%、期待的中率68~76%)

です。


3.4 反応一致性分析

反応一致性分析は、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の大きさや方向を示唆していないかを定量分析しています。

各ローソク足値幅の代表的な関係を下図に示します。

直後1分足と直後11分足の相関がかなり強く、回帰線の傾きも1をこえています。

上図から反応程度を無視して、反応方向だけを問題にして図示しておきましょう。

直前1分足は陰線率が73%と、反応方向に偏りがあります。

さて次に、直前10-1分足は、指標発表前にローソク足が完成しています
2.2項以降、分析対象は59回分の発表でした。
それぞれの場合において、直前10-1分足との方向一致率を下図に示します。

本項分析結論は、

  • 直前10-1分足値幅が9.1pips超(過去平均値の2倍超)のとき、直後11分足はそれと同方向に反応しがち(場面発生頻度14%、期待的中率78%)

です。


3.5 伸長性分析

伸長性分析は、指標発表1分後から反応を伸ばしがちだったか否かを定量分析しています。

下図をご覧ください。

直後1分足より直後11分足が同じ方向に伸びていたことは、順跳幅で75%、値幅で59%、でした。
この数字は、指標発表後に直ちに追撃を開始すべきことを示唆しています

さて、指標発表によって一方向に反応が伸びるときには、経験から言って最初の兆しは直後1分足順跳幅の大きさに現れがちです
そこで、直後1分足順跳幅を階層化し、階層毎に直後1分足よりも直後11分足が反応を伸ばしがちか否かを検証します。

まず順跳幅方向です。

次に値幅方向です。

多くの他の指標に比べ、本指標のチャートへの影響持続時間が長く、追撃を行いやすいことがわかります。

本項分析結論は、

  • 直後1分足順跳幅がどうあれ、初期反応方向に直ちに追撃を開始し、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺う(場面発生頻度94%、期待的中率74~92%)
  • 直後1分足順跳幅が12.3pips超(過去平均値超)のとき、直後1分足終値がついた時点で追撃を開始し、直後11分足終値がつくまでにポジションを解消(場面発生頻度33%、期待的中率76~83%)

です。


Ⅳ. 取引成績

分析記事は不定期に見直しを行っており、過去の分析成績と取引成績は下表の通りです。

上表「分析成績」は、取引方針の反応方向についてのみ判定を行い、反応程度についての判定は行っていません。
結果、分析成績・勝率・平均取引時間のいずれも悪くありません。


関連リンク

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改訂履歴

4.0訂(2019年11月15日) 新書式反映
4.1訂(2020年4月9日) 2020年3月集計分までを反映、1.2項表を最新に更新、2.4.3項は分析方法を変更、3.1項に始値基準ローソク足を開示

以上

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