英国実態指標「小売売上高指数」発表前後のGBPJPY反応分析

本稿は、英国実態指標「小売売上高指数※1」発表前後のGBPJPYの動きを分析し、過去傾向に基づく取引方針を纏めています。

英国GDPに占める個人消費の割合は約40%に達するため、本指標はGDPの先行指標として強く意識されていました。
がしかし、最近では月次GDPが発表されるようになったことに加え、2020年2月集計分以降は発表時刻が現地時間06:00に変更されました。
そのため直近の反応はかなり小さくなっています。

かつてのように大きく反応する指標というイメージを持っていると、利確や損切のタイミングを間違いかねない点には注意しましょう。

※1 発表元の本指標表記は「Retail Sales」、本指数表記は略称でRSIが使われ、邦訳は「小売売上高指数」。


Ⅰ. 指標要点
1.1  概要
発表機関
国家統計局(Office for National Statistics:ONS※2
発表日時
翌月20日過ぎの15:00(冬時間16:00:現地時間06:00
発表内容
基準年に対する小売販売量の変化※3発表事例※4
反応傾向

  • 反応方向=かなり素直(事後差異判別式の解の符号と直後1分足値幅方向の一致率81%
  • 反応程度=以前は大きかったものの、発表時刻が変更されてからはかなり小さい(直後1分足値幅の平均値3.3pips
  • 伸長特性=以前は直前10-1分足値幅が40pips超に達したら、指標発表後数分間は直前10-1分足と同方向に30pips超が狙えた
補足説明

  • 2020年2月集計分から発表時刻が現地時間06:00に変更された
  • 独国PPI独国GFK消費者信頼感調査との同時発表時は、本指標での取引を控えた方が良い
  • 発表結果の上昇/下降傾向や前月発表結果への過大反動への期待を根拠に取引すべきではない
  • 当月ないしは前月に発表されたサービス業PMIの良し悪しと、本指標発表前後の反応方向は関係ない

※2 英国国家統計局(ONS)は、経済・人口・社会に関係する統計の収集と公表を業務とする議会直属組織。ONSのHPの「About us」では、内閣(政権)とは独立している点が明記されている。

※3 調査対象は、100名以上を雇用しているか年間売上高60百万GBP以上の企業で、5000社に達する。調査内容は、当該月(集計月)の販売数量と売上額の「見込み」。調査期間は当該月のほぼ全期間に亘る。基準年は2013年を100とし、当該月の変化を季節調整の上で指数化している。

※4  通例、発表画面最初の1項に文書形式で当該月結果の説明があり、2項の表に数値が示される。2項の表において、「Volume(quantity bought)(数量(販売数))」と「Volume(excluding automotive fuel)(数量(自動車を除く))」の「Most recent month on a year earlier(前年同月比)」と「Most recent month on previous month(前月比)」の数値に注目が集まる。


1.2  結論

次節以降では、本指標での過去データにのみ基づき、本指標発表前後の反応傾向を抽出しています。
その傾向に基づく取引方針が下表です。

※5  上表において、事後判定対象は反応方向のみ。参考pipsは過去の平均値や中央値やそれらの差。利確や損切の最適pipsは、その時々のボラティリティ、トレンド状態、レジスタンス/サポートとの位置関係によって大きく異なるため、事前予想できず判定対象外。本表の見方についてはこちらに解説しています。


Ⅱ. 分析対象
2.1  対象範囲

本指標で分析対象とする指数は、

  • 小売売上高前月比・前年比(以下「前月比」「前年比」と略記)
  • コア小売売上高前月比・前年比(以下「コア前月比」「コア前年比」と略記)

です。
「コア」とは、自動車を除くその他の小売売上高を指しています。

指標分析の対象範囲は下表の通りです。

発表回数と分析回数に差がある理由は、後記3.1項記載の通り、本指標よりチャートへの影響力が強い指標との同時発表時を除いているためです。
そして、分析対象指数の市場予想は毎回全て容易に見つけられるでしょう。
また、発表結果は次の発表時にほぼ毎回修正されています。

次に、反応分析の対象範囲を下表に纏めておきます。

2020年2月集計分以降は、発表時刻が15:00/16:00(現地時間06:00)に変更となっています。
そして、前述のチャートへの影響力が強い他の指標との同時発表は、全て2020年2月集計分以降の発表で起きています。


2.2  指標推移

対象期間における指標推移を下図に示します。
図の配置は、前月比(左上)・前年比(左下)・コア前月比(右上)・コア前年比(右下)です。

※6  このグラフは分析データ開示のために載せており、グラフを本指標の発表毎に最新に更新していくことが本サイトの目的ではない。

どのグラフも2020年のコロナ禍による急落によって、それ以前の細かな動きが読み取り難くなっています。
でも、そんなことより先に、どのグラフも赤〇青〇青●に隠れずによく見えていることに注目しましょう。
これは、本指標各指数の市場予想は精度が低い、ということを示しています。

また、後記3.2項に示すように、本指標への反応は個々のグラフの動きでなく、複数のグラフの動きを総合的に捉えた方が、指標発表後の長い期間の反応方向に納得できます。
総合的に捉えるとは、3.2項記載の全体判別式を使うということです。

そもそも複数のグラフの上下動を発表直後に一瞬で総合的に理解するのは至難の業です(そんなことはできません)。
それなら仕方がありません。
指標発表直後はコア前月比かコア前年比の市場予想に対する良し悪しに反応しがち、と覚えておきましょう。
指標発表直後だけは、複雑な判別式を使わなくても上記反応方向に過去80%ぐらい従っているのです。

さて、参考までに各項目毎の統計値を下表に示しておきます。

そして、各項目毎の判別式の解の統計値を下表に示しておきます。

上表「全体」とは、後記3.2項で示す全体判別式の解の統計値です。


2.3  反応結果

対象期間における4本足チャート各ローソク足を始値基準で下図に示します。
図の配置は、直前10-1分足(左上)・直前1分足(左下)・直後1分足(右上)・直後11分足(右下)となっています。

※7 2020年2月集計分・2020年5月集計分・2020年8月集計分は、後記3.1項結論に依り、反応分析対象外のため記載なし。

上図の直前10-1分足の大きさは驚くほどで、これは見過ごせません。
そこで、直前10-1分足順跳幅が40pips超のときの4本足チャートを全て下図に示します。

※8 左から、2016年1月集計分、2016年6月集計分、2016年12月集計分、2017年1月集計分、2018年10月集計分、の4本足チャート。

直前10-1分足順跳幅が40pips超だったことは、対象期間に5回ありました。
その5回は全て、直後11分足順跳幅が直前10-1分足と同方向に30pips超となっていました。
実績から言えば、直前10-1分足順跳幅が40pips超だったときは、指標発表直前に同方向にポジションを持っても良い訳です。

次に、直前10-1分足順跳幅の40pips超という数字や、直後11分足順跳幅の30pips超という数字の意味を検討しておきます。
そのため、前述の直前10-1分足順跳幅40pips超に対し、直前10-1分足順跳幅が25pips以上40pips以下だった場合を調べておきました。
この条件に当てはまったことは対象期間に5回あり、この5回を上図と同じ尺度で下図に示します。

※9 左から、2015年8月集計分、2015年9月集計分、2016年2月集計分、2017年9月集計分、2018年4月集計分、の4本足チャート。

直前10-1分足順跳幅が40pips超のときとは違い、直前10-1分足順跳幅が25pips以上40pips以下だったときは、直前10-1分足と直後11分足の方向は必ずしも一致していません。
後の反応方向を示唆するか否かにおいて、直前10-1分足順跳幅が40pips超は実績があるものの、それより小さい25pips以上40pips以下では何とも言えません

さて、対象期間における各ローソクの反応程度の統計値とその分布を下表に一覧しておきます。

2020年2月集計分以降は、発表時刻が15:00/16:00に変更となっています。
よって、それ以降の反応程度を下表に纏めておきます。

まだ発表4回分の平均値に過ぎませんが、発表時刻変更で反応程度はかなり小さくなっています
現地時間06:00の発表では、今後もこの傾向が続くと推察いたします。


Ⅲ. 指標分析

以下の各項タイトル分析名をクリックすると、各分析方法の詳細説明頁に移ります。


3.1  指標間影響力比較分析

対象期間に本指標と同時発表された指標と、影響力比較結果を下表に一覧します。

上表「同時発表指標」名の赤太字は本指標の方が影響力が弱い、との判定結果です。

例えば、GBPJPYの直後1分足が陰線だったとします。
このとき、本指標結果が市場予想を上回っていれば、この反応は素直ではなかったことになります。
一方、独国PPI独国GFK消費者信頼感調査は、発表結果が市場予想を上回ったときにEURGBPが陽線ならば素直な反応です。
そのときGBPは売られることになるので、上表で問題とするGBPJPYの直後1分足が陰線ならば素直な反応です。
この状況が、独国PPI独国GFK消費者信頼感調査が方向一致で、本指標が方向不一致となる場合です。

ともあれ、まだ同時発表事例が少ないものの、本指標は独国PPIや独国GFK消費者信頼感調査との同時発表時の取引を控えた方が良さそうです(どうしてもそのとき取引したいなら、EURGBP独国PPI独国GFK消費者信頼感調査を見ながら取引した方がマシです)。

※10 上表の同時発表は、どれも本指標発表時刻が15:00/16:00に変更されてから行われている。逆に、発表時刻が17:30/18:30だった2020年1月集計分以前は、主要国主要指標との同時発表はなかった。


3.2  項目間影響力比較分析

分析対象は、前月比・前年比・コア前月比・コア前年比、の4指数でした。
それぞれの各判別式は定義通り、

事前差異判別式=市場予想ー前回結果
事後差異判別式=発表結果ー市場予想
実態差異判別式=発表結果ー修正結果
但し、前回結果の修正が行われなかった場合には、上式「修正結果」を「前回結果」と読み替える

です。
このとき、各指数の判別式の解の符号とローソク足値幅方向の一致率を下表に纏めておきます。

直後1分足は、コア前月比コア前年比の方が前月比前年比よりも僅かに方向一致率が高くなっています。
ほとんどの主要国主要指標で前月比の方が前年比よりも影響力が強い傾向があります。
けれども、少なくとも本稿の分析対象期間において、本指標に関しては前年比の方が前月比より僅かに影響力が強かった訳です。
いずれは他の指標のように、前月比の方が前年比よりも影響力が強くなる可能性があるにせよ、それらの影響力がほぼ同等である限り、この傾向は本指標の特徴だと言えるでしょう。

次に、全体判別式を次のように立式します。

  • 全体判別式=A✕前月比の差異+B✕前年比の差異+C✕コア前月比の差異+D✕コア前年比の差異
    但し、事前差異=市場予想ー前回結果、事後差異=発表結果ー市場予想、実態差異=発表結果ー前回修正結果(前回結果の修正が行われなかった場合には前回結果)

上式において、各判別式の係数と、各判別式の解の符号と各ローソク足値幅方向の一致率を下表に纏めておきます。

例えば、先の判別式の形式と上表から、本指標の実態差異判別式は、

-1✕前月比の(発表結果ー前回修正結果)+2✕前年比の(発表結果ー前回修正結果)ー1✕コア前月比の(発表結果ー前回修正結果)+3✕コア前年比の(発表結果ー前回修正結果)

となり、この式の解の符号と直後11分足は、過去75%の方向一致率となっています。

以上の通り、各判別式の係数を決めれば、速報値発表後の反応方向を説明しやすくなりました


3.3  利得分析

分析内訳として指標差異(左上)と反応程度(左下)の期間推移と、分析結果として反応程度を指標差異で割った利得分析結果(右)を示します。

左上図において、2020年発表分が急激に大きくなっているのは、コロナ禍による急激な落ち込みと回復が原因です。
また、左下図において、直後1分足は年々小さくなっています。
その結果、右図の2020年発表分の利得は極端に小さくなっています。

事後差異判別式の解1ips(Index Points)毎の直後1分足値幅は、2020年発表分の平均が0.4pipsしかありません。


Ⅳ. 反応分析

以下、各項タイトルの分析名をクリックすると、各分析方法の詳細説明頁に移ります。


4.1  移動平均線分析

3.2項を参照してコア前年比を選び、その移動平均線分析を行います。

下図は、コア前年比の市場予想・発表結果・市場予想の6回移動平均線・発表結果の6回移動平均線です。

いま、発表結果の移動平均線が市場予想の移動平均線よりも上になれば本指標が上昇中、発表結果の移動平均線が市場予想の移動平均線よりも下になれば本指標が下降中、と判別することにします。
そして、この判別が妥当ならば、本指標が上昇中の発表結果は前月を上回ることが多くなり、下降中は前月を下回ることが多くなる可能性があります。
更に、本指標の発表結果が前月を上回ることが多い時期には直後1分足の反応方向の陽線率が高くなり、下回ることが多い時期には陰線率が高くなる、という仮説が成り立ちます。

結果を下表に示します。

2列目「指標方向一致数」とは、前述の移動平均線の上下位置と、翌月以降の発表結果が前月結果を上回ったか下回ったかの一致数を表しています。
5列目「仮説一致数」とは、前述の移動平均線の上下位置と、翌月以降の直後1分足値幅方向の一致数を表しています。

結論、本指標は本分析の不適合事例であり、

  • (少なくとも6回移動平均線を用いる限り)指標推移が上昇中のコア前年比は前月結果を下回りがち、下降中は上回りがち(上表「同左一致率」参照)
  • コア前年比の推移が上昇中であれ下降中であれ、その判断に基づき指標発表直後の反応方向を予想することはできない(上表「仮説一致率」参照)

です。

なお、上表において「翌月から」の「判定回数」は59回となっています。
その理由を下表に挙げておきます。


4.2  過大反動分析

コア前年比について、前月の実態差異判別式の解の絶対値の大きさ毎に過大反動分析を行った結果を下表に示します。

結果、本指標は過大反動を起こしやすいとも起こしにくいとも言えません(上表「過大反動率」参照)。
そして、前月実態差異判別式の解が大きくても小さくても、指標発表直後の反応方向を予想することはできません(上表「仮説一致率」参照)。
本事例は本分析の不適合事例です。

なお、上表において「全数」の「判定回数」は64回となっています。
その理由を下表に挙げておきます。


4.3  同期/連動分析

英国サービス業PMIは、本指標に先立って小売業の景況感を含めて発表しています。
そこで、本指標前月比(以下「前月比」と略記)を、比較対象指標のサービス業PMI(以下「PMI」と略記)と対比します。
両指数の推移を下左図に示し、両指数の実態差異判別式の符号一致率(前月発表結果と当月発表結果の増減方向の一致率)を下右図に示します。
なお、下右図における横軸は、前月比がPMIより何か月先行/遅行、と読みます。

上左図から、両指数はコロナ禍による急激な落ち込みと回復こそほぼ同期しているように見えるものの、その他の時期はPMIを10倍しても変化が読み取れません。
そのため、上右図の実態差異判別式の符号一致率をご覧ください(単月毎の上昇/下降の一致率を見ていることになります)。
実態差異判別式の符号一致率から見れば、PMIと前月比が同期しているときの一致率が35%(不一致率が65%)となっています。

この関係を下表に整理しておきます。

同じ集計月のPMIと前月比を同期とすると、同月に発表された前月比はPMIより1か月遅行していることになります。
ともあれ、両指数を単月毎に見比べる限り、増減方向の一致率(不一致率)は十分高いとは言えません

念のため、本指標発表時の反応方向が先に発表されているPMIの影響を受けているか、確認しておきましょう。

結論、先に発表されたPMIの改善や悪化は、当月の本指標発表前後の反応方向に影響しているとは言えません


4.4  指標一致性分析

各判別式の解とローソク足値幅の代表的な関係を下図に示します。

上図からわかることは、いずれも相関係数R2値が低く、回帰式による予想はアテにできない、ということです。

ただ、それでも上図には利用価値があります。
どのグラフにせよ、グラフの右上4分の1の領域(第一象限)と左下4分の1の領域(第3象限)に集まるドットが多いほど、本指標が素直に反応していることを直観的に把握できます。
このことを定量的に表すため、各判別式の解の符号と4本足チャート各ローソク足値幅方向の一致率を下図に纏めておきました。

事後差異判別式の解の符号と直後1分足値幅方向は81%の一致率で、反応方向は発表結果の市場予想との乖離方向にかなり素直です。
この傾向は、事後差異判別式の解の符号と直後11分足値幅方向も78%もの一致率なので、指標発表後10分を過ぎても持続しがちなことがわかります。

さて、指標発表前に判別式の解がわかっているのは事前差異しかありません
そこで下図に、事前差異判別式の解の絶対値を階層化し、その階層毎に事前差異判別式の解の符号と各ローソク足の指標方向一致率を求めました。

経験的に信頼度が高い傾向は、階層の変化方向に応じて方向一致率が変化しているパターンです。

上図からは、

  • 事前差異判別式の解の絶対値が3.6超(過去平均値超)のとき、その解の符号と直前1分足値幅方向は69~89%同じ(場面発生頻度25%)
  • 事前差異判別式の解の絶対値が5.4超(過去平均値の1.5倍超)のとき、その解の符号と直後11分足値幅方向は67%同じ(場面発生頻度13%)

となっている一方、

  • 事前差異判別式の解がどうあれ、直後1分足値幅方向はわからない

という傾向が読み取れます。


4.5  反応一致性分析

各ローソク足値幅の代表的な関係を下図に示します。

上左図と上中図は分布が意味を持ちません。
上右図は比例的で、直後1分足値幅に対し直後11分足値幅は平均的に9.1%伸び、平均的な誤差は30%弱です。

そして、4本足チャート各ローソク足毎の方向率や、ローソク足同士の値幅方向の一致率を纏めた下図をご覧ください。

直前1分足は陰線率が70%と、かなり偏りがあります。
また、直後1分足と直後11分足の値幅方向の一致率は75%あるものの、直後1分足と直後11分足の始値は直前1分足終値で同一のため、それだけでは取引の根拠には不十分です。

さて、直前10-1分足は、指標発表前にローソク足が完成しており、その後のローソク足方向を示唆している可能性があります
対象事例について、直前10-1分足値幅を階層化し、その階層毎に反応方向一致性分析を行った結果を下図に示します。

経験的に信頼度が高い傾向は、階層の変化方向に応じて方向一致率が変化しているパターンです。

上図からは、

  • 直前10-1分足値幅がどうあれ、直前1分足値幅方向は直前10-1分足値幅方向と逆になりがち(場面発生頻度96%、期待的中率66~80%)
  • 直前10-1分足値幅が10.5pips超(過去平均値超)のとき、直後11分足値幅方向は直前10-1分足値幅方向と同じになりがち(場面発生頻度37%、期待的中率68~73%)

となっている一方、

  • 直前10-1分足値幅がどうあれ、直後1分足の値幅方向はわからない

という傾向が読み取れます。


4.6  伸長性分析

前項に示した通り、直後1分足と直後11分足の方向一致率は75%です。
がしかし、直後1分足よりも直後11分足が反応を伸ばすか削るのかはわかっていません。

下図をご覧ください。

直後1分足よりも直後11分足の順跳幅が同方向に伸びたことは52%、値幅が同方向に伸びたことは51%でした。
この数字では、初期反応方向への追撃すべきか否か判断できません。

さて、指標発表によって一方向に反応が伸びるときには、経験から言って最初の兆しは直後1分足順跳幅の大きさに現れることがあります
そこで、直後1分足順跳幅を階層化し、階層毎に直後1分足よりも直後11分足が反応を伸ばしがちか否かを検証します。

まずは順跳幅方向です。

次に値幅方向です。

比較的安心して追撃できるのは、直後1分足順跳幅が43.8pips(過去平均値の2倍超)の場合に限られます。


Ⅴ. 取引成績

分析記事は不定期に見直しを行っており、過去の分析成績と取引成績を検証します。

下表「分析成績」は、取引方針の反応方向についてのみ判定を行い、反応程度についての判定は行っていません。
そして当然のことながら、分析時点よりも過去に遡った分析的中率には意味がありません(最新の取引方針に示した期待的中率通りになってしまいます)。
よって、下表は事前に取引方針を開示したときの成績のみを集計しています。

結果、

  • 狙った発表事例(指標発表前に取引方針を開示)での方針適用率は74%
  • 方針適用時の分析的中率は46%、そのときの実取引勝率は61%
  • 1発表当たりの平均獲得pipsは+10.45pips、同平均取引時間は9分3秒

です。

分析的中率が低い割に1発表当たりの平均獲得pipsは高くなっています。

本指標での取引を頻繁に行っていた2017年頃は、本指標への反応が大きかった時期です。
英国指標のうち、反応が大きい指標では「当たったら追撃、間違ったら損切」という方法さえ徹底すれば、そこそこ稼げたのです。
現在、本指標は以前のように大きく反応しなくなっているので、現在はこまめに利確/損切を繰り返す方が良いでしょう。

※11  実取引勝率には方針外取引の成績を含まない。ここに挙げた実績は全て、別サイトの該日付ないしはその前日の投稿で事前に取引方針を開示。


関連リンク

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改訂履歴

初版(2017年1月20日)
改訂(2018年8月13日)
3訂(2020年10月17日) 2020年8月集計分までを新書式反映

以上

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