B01 分析データの選択と抽出

指標分析を行うための一次データは、分析対象指標の市場予想・発表結果・修正結果と、その発表前後のローソク足方向・値幅です。何はともあれ、データの選択と抽出から分析は始まります

B01-1  指標推移と発表結果統計値
B01-2  4本足チャート各始値基準ローソク足とその統計値


B01-1  指標推移と発表結果統計値
(1) データ開示

個々の指標分析記事には、分析記事投稿以前の指標推移をグラフ化して掲載しています。どんな分析であれ「データ開示」は基本です。

他のサイトを参考にすると、データをグラフ化しているサイト一覧表化しているサイトに二分されます。本サイトでは、指標推移の上下動や途中トレンドを視覚的に捉えやすいグラフ化を採用しています。そして、グラフ中の発表結果のプロット値の統計値と、発表結果と修正結果の最大値と最小値は、グラフから読み取りにくいので表に値を示しています。

(2) 事例紹介

例えば、下図は「日本四半期GDP速報値」(2021年2月13日版)の分析記事における指標推移と発表結果統計値です。横軸は集計期となっており、月次発表が行われる指標では集計月となっています。

グラフ化の対象は、原則、その指標の判別式の項目となる指数なので、1~4指数市場予想発表結果前回発表結果の修正結果や改定結果となります。判別式項目となる指数は、反応方向に影響を与えがちです(というより、反応方向に影響を与える指数を判別式項目に選んでいる訳です)。

(3) 前回結果や修正結果の扱い

例えばGDPのように速報値・改定値・確定値の3段階で発表される場合、

  • 速報値の修正結果は直近前回の確定値
  • 改定値の修正結果は直近前回の速報値
  • 確定値の修正結果は直近前回の改定値

としています。

また、PMIのように速報値と改定値が2段階で発表される場合、

  • 速報値の修正結果は直近前回の改定値
  • 改定値の修正結果は直近前回の速報値

としています。

一部の経済指標は、FX会社等の指標カレンダーで速報値と明示されていなくても速報値の場合があり、翌月の発表時には既にそれが改定されています(例えば、米国耐久財受注日本通関貿易統計等)。その場合も、上記PMIと同様に今回発表直前の修正結果を採用しています。

前々回や更に以前の発表結果が修正されていても、それはグラフに反映していません。前々回以前の発表結果の修正が、反応方向に影響を与えたと解釈できる事例がほぼ記憶にないからです(かつて米国住宅関連指標でそうかも知れなかった事例が記憶にある程度です)。

B01-2  4本足チャート各始値基準ローソク足とその統計値
(1) 4本足チャートでの反応記録

本サイトで用いている各ローソク足は、4本足チャートから抜き出したものです。そのため、先に形成したローソク足の終値が次に形成されるローソク足の始値と全て同値となっており、窓や被りがない点が実際のチャートとは異なります。

(2) 事例紹介

その4本足チャートの過去から最新分析月までを、各ローソク足毎に始値基準で(始値を0pipsに揃えて)並べます。

例えば、下図は「日本国際収支」の分析記事(2021年2月21日版)における4本足チャート各始値基準ローソク足です。通常、左側に直前10-1分足(上)と直前1分足(下)を、右側に直後1分足(上)・直後11分足(下)を、それぞれ指標発表前と後とで縦軸を揃えています。

上図各グラフの横軸は集計月単位(期毎集計指標の場合は集計期単位)となっています。これは、先に挙げた過去指標推移と横軸を揃えている訳です。

(3) 始値基準4本足チャートの歯抜け箇所

さて、上図ではローソク足が歯抜けとなっている箇所があります。

歯抜け箇所は、主に指標間影響力比較分析の結果、分析対象指標よりもチャートへの影響力が強い指標との同時発表が行われた集計月・期です。また、一部指標ではチャート記録を失念して手元に残っていない場合や、本サイトでの分析に含めるのが適当でないと判断した場合も、歯抜けとなっています。

「分析に含めるのが適当でない」事例には、事前周知が不足したまま発表時刻が変更になった事例や、12月24日から1月4日以前の発表日だった事例が挙げられます。

前週末時点における『Yahooファイナンス「経済指標カレンダー」記載と違っていたり、そこに記載がない日時に発表が行われた場合。仕事でカレンダーを作っている人が事前に把握できていないことを、アマチュアの我々が把握できるはずありません。また、著しく流動性が低下し、1分足チャートが窓だらけになっているときは、指標への正常な反応が起きないことが多いようです。

いずれにせよ、歯抜け理由は該指標分析記事中に記載しています。

(4) 4本足チャート各ローソク足の統計値

次に、上図各ローソク足の統計値は、例えば下表のように纏めています。当然、上図各ローソク足が歯抜けとなっている集計月・期のデータは含まずに集計しています。

上段の表には、順跳幅と値幅の過去平均値・順跳幅の最大値中央値1足内反転率を纏めています。そして、中段と下段の表には順跳幅と値幅の過去分布を纏めています。

※1  ここで「順跳幅」「値幅」というのは『用語説明「ローソク足各部の名称」』の頁を、「1足内反転率」というのは『用語説明「一足内反転率」』の頁を参照方。

上表の平均値・最大値・中央値は、もし類似の表が他の指標解説サイトにあっても、きっとそれとは値が異なります。それには、

  • 分析対象指標よりもチャートへの影響力が強い指標との同時発表時等を除いて集計しているため
  • 跳幅ではなく順跳幅を扱っているため(いくら大きくても逆跳幅は集計していない)

という2つの理由があります。
よって、上表統計値は類似の表が他のサイトにあっても、それよりも小さな値となっているはずです。

また、中段と下段の分布は、(古い時代は知りませんが)どの指標であれここ最近の数10事例で見る限り、正規分布状ではありません。
おそらくその理由は、

  • 自動取引プログラムの普及に伴い、現在値と移動平均線位置の差が自然分布となっていないため
  • 陽線と陰線の順跳幅や値幅の分布が正負非対称分布となっているため(スワップや各国実需=国際収支の影響があるため)、

と推察しています。


 本稿のまとめ
  • 指標分析を行うための一次データは、分析対象指標の市場予想・発表結果・修正結果と、その発表前後のローソク足方向・値幅
  • それらデータの選択と抽出が適切でなければ、分析結論は正しく導けない

そんなことはわかっているけど、そんな面倒なことをいちいちやっていられない、という話もわかります。

  • この面倒を代行していることが本サイトの存在意義

関連リンク

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以上

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