C9 レンジとトレンド
レンジ(ボックス)とは、ふたつの一定値の間を往復する値動きをしている状態や期間を指します。
トレンドとは、チャートが右上がりや右下がりに斜行推移している状態や期間を指します。
このレンジやトレンドを識別するための水平ラインと斜行ラインについて説明します。
C9-1 水平ライン
チャートのほぼ一定値で反転や停滞が起きていた箇所というのがあります。
その箇所は、現在値との位置関係でレジスタンスライン(抵抗線)やサポートライン(支持線)と呼びます。
レジスタンスラインやサポートラインが過去にブレイクされていても関係ありません。
ブレイクとは、レジスタンスラインやサポートラインを突き抜けた/突き抜けることを指します。
どの時点であれ、現在値との位置関係で上側にあればレジスタンスライン、下側にあればサポートラインです。
反転を繰り返していたラインが、過去にブレイクした箇所を含んでいるラインよりも強い訳ではありません。
そんな解釈をしていたら、過去最高値や過去最安値のライン以外に強いラインがなくなります。
一般論として、15分足チャート以下の短期チャートでは最近の反転が多いラインが強い、日足チャート以上の長期チャートではより長期に亘って成立しているラインが強い、という気がします。
たったひとつの値(①だけ)でも、レジスタンスラインやサポートラインがあると見なした方が良い場合があります。
日足・週足・月足などの足幅の長いチャートの前日・前週・前月の高値・安値・終値です。
1分足・15分足・1時間足などの足幅の短いチャートでは、そうは見なせません。
ふたつの値(①と②)を結んだラインは、②が確定するまでは存在しません。
②が確定して、初めてラインを引くことができます。
がしかし、このラインの信頼度はいまひとつ、とされています。
②が確定すると、「3度目の正直」という言葉の通り、プロフェッショナルの記事で次にブレイクが起きるかを意識した解説が増えてきます。
けれども、専門家の意見が割れるとき、我々アマチュアがどうこう考えても仕方ありません。
みっつの値(①と②と③)を結んだラインが形成されてからは、我々アマチュアでも自信をもってラインを引くことができます。
自信を持って引いたラインがあってこそ、OCO注文やIFDOCO注文の特徴を活かした損小利大を狙う場面が生じるのです。
また、①②③を結んだラインを、ヒゲの先端を結ぶか終値を結ぶかは、自身の取引スタイルによって違います。
ポジション保有期間が短期になるほどヒゲ先端同士を結んだラインが適しており、長期になるほど終値同士を結んだラインが適している(途中に起きた明らかな異常事態を無視できる)、と思います。
C9-2 斜行ライン
斜行ラインも考え方は同じです。
斜行ラインが引けるときを、トレンドが発生している、といいます。
上昇トレンドではサポートラインが、下降トレンドではレジスタンスラインが重要です。
上昇トレンドにおけるレジスタンスラインや、下降トレンドにおけるサポートラインは、トレンド終盤でブレイクされることが多いことが知られています。
その逆に、上昇トレンドでレジスタンスラインに届かないままサポートラインに戻ったり、下降トレンドでサポートラインに届かずにレジスタンスラインに戻ったときは、トレンド終了を示唆している可能性があります。
水平ラインと斜行ラインの強弱は、一概にどちらが強いと断じられません。
但し、下図をご覧ください。
トレンド形成序盤に、斜行サポートラインが3点目を形成したとき、水平ラインを上回っていれば、そのトレンドはその後も強く継続される可能性が高い、という感触があります。
一般に水平ラインは、過去に遡るほど多くの反転・停滞ポイントが見つかるものです。
それにも関わらず、その水平ラインを上回る勢いがあれば、その後も上昇トレンドが続きがちなことに納得しています。
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以上